この曲は、一日の終わり、夜の帳が降りる瞬間の、静けさの中に秘められた熱を表現したくて作りました。
「宵」という字が持つ、仄暗くも美しい時間と、「奏」という字に込めた、心の奥底から響くメロディ。

静かなピアノのアルペジオから始まり、やがてヴァイオリンが切なく、そして力強く歌い上げます。まるで、誰もいない夜の街で、一人、夢や情熱を燃やし続けるような、そんな情景が浮かぶ楽曲になったと思います。

クラシックで培ったテクニックを存分に使いつつも、ジャンルを超えた感情の深さを追求しました。特に中盤の、一気に感情が爆発するようなヴァイオリンのパッセージは、この曲のハイライトです。

僕にとって、この「宵奏」は、光と影、希望と葛藤、その両方を受け入れた「今」の音。

ぜひ、目を閉じて、この夜の演奏に耳を傾けてみてください。
皆さんの心の中に、それぞれの「宵」が響き渡ることを願っています。

「揺籃歌（ようらんか）」は、赤ちゃんのゆりかごを揺らすように優しく、温かな愛情に満ちた子守歌をヴァイオリンの独奏曲として表現したオリジナル作品です。

ヴァイオリンの持つ、人の声にも似たしなやかで叙情的な音色が最大限に活かされ、聴く人の心に寄り添うような安らぎをもたらします。弓が弦を撫でるたびに紡ぎ出されるメロディは、まるで母親がわが子を慈しむように、優しく、静かに響き渡ります。

忙しい日常を忘れさせてくれるような穏やかな調べは、聴くすべての人々にとって、心休まるひとときを提供してくれるでしょう。ゆったりとしたテンポと、時に切なさを帯びる美しい旋律が、聴く人の心に深い感動を与えます。
この音楽が、あなたの疲れた心と体をそっと包み込む「音のゆりかご」となることを願って。

ヴァイオリンという楽器の持つ奥深い表現力で描かれた、珠玉の「揺籃歌」をどうぞお楽しみください。